小田急線の相模原駅南口から徒歩7分。
久しぶりにディープなお店。
夜の10時に到着すると、通りに面したスナック風のお店のドアの前に気だるそうな店員さんが二人いる。たばこをふかしつつ完全に休憩モード。
まだ営業中というので、中に入るとおばさま方が4-5人ソファで、まるでお酒を飲んではしゃぎつくしたあとのように、これまた気だるそうに寛いでいる。
カウンター席に座った私にさして関心があるわけでもなく、ソファからただこっちの方を向いている。
おぅ、これは珍しいパターンと思っていると、そのうちの一人はママさんだった。
天井にはクリスマスのモールと、壁にハッピーバースデー(Happy Birthday)の飾りつけ。フィリピンの皆さんはパーティーが大好きだ。
本日のお客さんも週末の夜に十分カラオケを楽しんだのだろう、と勝手に納得する。
お店の造りは完全に『スナック』で、仄暗い店内にはL字型のカウンターと低めのソファと低めのテーブルが2脚並ぶばかり。
私の後にひとりで入ってきた中年男性客もスナックを期待していたのだろう、何回かスナックではないことを居合わせたおばさま方に念押しして確認し、「後で来る」と言い残し、帰って行った。
ゆっくりとソファから体を起こすママさん。
渡たされたメニューを開くと英語で料理名が書かれているのみ。料理の写真はなく、もちろん説明文もない。
そこで定番の酸味のきいたスープ、シニガンスープを注文するが、品切れとのこと。
では何なら注文できるのか、と何回かママさんとやり取りをし、結局先方が勧めてくれたティラピアのから揚げとシニガンスープを注文。
??シニガンスープ?さっき品切れって言ってたよね、、、と確認すると、あるという。
…まあいいか。
注文するとママさんは厨房でさっそく料理を作り始めた。
下ごしらえから始めているように見えるのは、素人の見間違いか。
後から来た別の女性も厨房で料理している。その女性がシニガンスープ担当だった模様。
料理が出てくるまでの間、部屋に残ったお客さんにお店のことを聞いてみると、こちらに移転する前の場所で4年間、そして今の場所に移転して2年の合計6年間の営業歴があるとのこと。
お話を伺ううちに、皆さま、本日土曜日もお弁当工場で勤務してきたであろうことが分かってきた。しかも今の時間は夜の10時過ぎ、それは気だるくもなるでしょう。
そして、待ちに待って料理が到着!
注文したのは、ティラピアのから揚げ、シニガンスープ、ライス、そしてココナッツジュースで、しめて2,700円。
大ぶりのオクラとチンゲン菜、そして大根となすびに豚肉も加わり、食べ応えたっぷりのボリューム。
ティラピアのから揚げの、外はカリッ、中はフワッとした仕上がりは、さすがの腕前と言わざるを得ない。薄めの塩味がちょうどよい。
なお調理されたティラピアはフィリピン産ではなく、タイかどこかからの輸入とのこと。きっと東南アジアで広くソウルフードとして親しまれている魚なのだろう。
帰宅するための最終電車の時間も迫り、いよいよ、おいとましようとした時に背後のドアが開いた。
入ってきたのは先ほど帰ったはずのお客さん。
時間帯からして近所の方なのだろうが、わざわざ怖いもの見たさで戻って来たのか?
戻ってきた男性客は、おばさま方とお店のサービスについてやり取りするも要領を得ていない。また英語のみ・写真なし・説明文なしのメニューの内容が、当然ながら全く理解出来ず、時折こちらをすがるような目でこちらをチラ見する。
ただスマン、終電間際の今、人の世話をする余裕はない。
許してくださいと、後ろ髪を引かれつつも、心を鬼にして店を出て駅に走って向かい、ギリギリセーフ。
彼が何を注文したのか、ほかのお客さんたちとカラオケを楽しんだのか、次に来た時にぜひママさんに聞いてみたい。
メニュー例:
シニガンスープ 1500円
ティラピアのから揚げ 800円
ライス 200円
ココナッツジュース 200円
住所:神奈川県座間市相模が丘5丁目4-35
電話:042-743-5644
ご参考:
https://tabelog.com/kanagawa/A1407/A140701/14060496/