皆さま、
海外の取引先企業とメールでやり取りしていて、そのうち返事が来なくなった経験はありませんでしょうか。
きっちり書いて送っているのに相手からの返事が来ない。
イライラしませんか?
何度か英文メールについて記事を書いていますが、今回は返事が来ないというお悩みについての解決案です。
過去の英文メールに関するブログはこちら。
もともと距離が離れている海外の取引先ですが、コロナ禍の昨今ますます会って話をすることはできなくなりました。
相手と時差があれば電話すらもままならず、海外現地の状況不明のまま懸案が店晒し・・・そんなことありませんか?
少なくとも私の経験のある中南米、欧州、アフリカのビジネスでは、日本ほどメールに返信することに義務感を感じない人が多いので、こちらがお金を払う顧客であっても、突如連絡がつかなくなることもザラです。
先方の会社としてメリットがあっても、担当者個人にメリットがなければ、返事が来なくなることもあります。
とはいえ、ビジネスでは相手のためよりも、こちらの都合でお願いすることが多いのも現実です。
そこで、今回の記事ではそうしたこちらの「お願いメール」で返事が欲しいときはどうすべきか、あなたの英文メールに返事がなくなる理由と、その解決策をご説明いたします。
メールに返事が来なくなる理由
なぜ相手から返事が来なくなるのでしょうか。
こちらかのお願い事や問い合わせのメールに対して、相手から返信がなくなる理由は、3種類に大別できます。
1.面倒くさいから
2.文面の意味がわからない
3.都合が悪いから
1. 面倒くさいから
とかく、私たち日本人がメールで問い合わせる場合、細かいことまで聞きがちになります。
一度のやりとりで済めば良いですが、何度も続くうちに相手は
「どこまで説明させるんだ、しつこい、何回やり取りさせるんだ」
と結論が見えないやり取りに疲れ果ててしまいます。
後で別途説明しますが、やり取りの着地点を示して上げましょう。
もし細かく聞く必要があるのであれば、一度の返信で済むようにもれなく質問をおさえておきましょう。
2. 文面の意味が分からない
メールの冒頭に結論、あるいは要求を書いていますか?
あるいは相手から聞かれている質問にYesかNoはっきり答えていますか?
私たちが学校で習った難しい構文を無理に使おうとして、意味が伝わりにくくなっているかもしれません。
また日本のビジネス上の慣用的な表現にも注意です。
間違っても『お世話になっています。』をGoogle翻訳で直訳して、英文メールに書いてはいけません。
先方は「何を世話したっけ?」と混乱してしまいます。
3. 都合が悪いから
日本語でいう『差し支えなければ』などという聞き方では、都合の悪いまたは手間のかかる問い合わせに、返信をくれなくなります。
大事なやり取りだから、そこは空気を読んで・・・などありません。
相手に都合が悪い話題は黙殺されます。
こちらから3つ質問を投げているのに、2つしか回答が無いなど、こういう場合が多いです。
その他、単に返信忘れの場合や迷惑メールに埋もれている場合もあるのでしょうが、海外相手で急に返事が来なくなったときは、上記3つの可能性を疑うべきです。
メール返信率を高める解決策
では返信がなくなったときには、どうすればよいか。
相手に催促するのは当然ですが、返信が届きやすくする工夫をしましょう。
相手に利益があるのであれば、利益をわかりやすく伝えるだけですが、こちらからのお願い事の場合は工夫が必要です。
解決策は、シンプル、サプライズ、ペイン(痛み)です。
1. シンプル
シンプルな文面を心がけましょう。
冒頭に結論を書きます。
主語・述語・目的語を濁さず書き、返信期日あればそれも明確にしましょう。
全部、I(わたしは)からはじめる文章で構いません。『受け身』の構文は不要です。
質問または問い合わせ内容は、一回のメールで、できれば一つに絞りましょう。
質問が複数あるときは箇条書きで聞きます。
質問文はYes/No、または択一式で答えられるようにしましょう。自由回答では、返信されなくなります。
2. サプライズ
メールを送ったあとで、電話を掛けて返事するように『追い打ち』して、相手を驚かせましょう。
初回メールであれば、その日のうちに何かしらの返事をくれることが多いです。
何回かメールを送って返事が来ないようであれば、1週間ほど間をおいて出し直してみるのも良いです。
『ごめんごめん、迷惑メールフォルダに入っていた』というお詫びをつけて、返事が来ることが多いです。
3. ペイン(痛み)
何度かメールを送っても返事が来ないようであれば、いつのまにかCCから外されがちな相手の上司にCCを入れましょう。
そして返事が来ないことをチクリと文面に書き添えたり、場合によっては上司宛に『TO』でメールを送りましょう。
本当に会社として対応が必要なのであれば、上司から担当者に指示(または小言)があり、担当者は(渋々ながら)返信するはずです。
単に毎日しつこくメール送り続けて相手に『痛み』を与える手もありますが、往々にして未開封のままゴミ箱に流されてしまうか、ジャンクメールに自動分類されてしまいます。
また相手に『痛み』を与えるのとは逆に、こうすれば痛みが取れる、と説明することも大事です。
例えば、この問い合わせに対して良い回答が得られたら、『こうなる』(法人として決済がおりる、値引きするなど)というメリットを説明できれば、言うことなしです。
結論
英文メールでは、とにかく相手に都合よく解釈させる余地を残してはなりません。
先方が頭を使う労力を極力減らし、シンプルに骨太にメッセージを伝えましょう。
例えば日本式の季節の挨拶や、間接的な表現は邪魔なだけです。
例えば日本人の『申し訳ないですが・・・』は、英語ではSorryと訳されますが、それを英文メールで使うと、相手には何故あなたはSorryと言っているのか伝わらず、最悪、余計な頭を使わせてしまうだけです。
ですので、海外ビジネス全般に言えることでもありますが、英文メールでは相手を尊重しつつも、空気を読まず、どんどん直球で意見をぶつけて構いません。
以上、直接あって話を聞くことができないまどろっこしい日々が続きますが、知恵を絞って海外ビジネスを進めて行きましょう。
メールよりも商談の実践的な会話を重視する方はこちらの記事をご覧ください。
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