農産物輸入ビジネスで起業ブログ

未経験者が農産物の輸入事業で起業した話です。

海外ベンチャー企業から見た日本市場の魅力ー日本企業はどのような姿勢でのぞむべきか

起業・資金調達 国内No.1メディアの創業手帳様への記事掲載第4弾!

今回は、私の韓国ITベンチャー企業の日本支社長時代の経験を踏まえた、海外ITベンチャー企業との組み方についての記事です。

以下、掲載記事のほぼ全文を掲載させていただきます。

前回の掲載記事はこちら  

mendoydx.hatenablog.com

 

今後、日本に進出する海外ベンチャー企業と協働する方法やポイントをご紹介します

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自分の強みが活きるパートナーを見つけましょう


新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響によって、外出規制・デパートや飲食店などでの営業自粛が行われていましたが、ようやく規制が解除され、経済活動も再開され始めています。

この機会に、「ニューノーマル(新常態)」と呼ばれる次の時代に向けて、日本進出を目指す海外ベンチャー企業と組み、競争力をつけていきませんか。

目次

 

韓国のITベンチャー企業からみる日本市場

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もともと韓国のベンチャー企業は、自国市場が小さいため、海外を志向しながら商品・サービスをデザインしています。

彼らが最初に進出対象国として意識するのは、近隣の経済大国である日本と中国の2カ国です。

日本市場は世界で第三位の経済規模を誇り、現在でも韓国と比べてGDPで3倍以上の開きがあります。一方で中国は、著作権保護の問題や、ビジネスへの政治的介入のリスクがあるため、最初の海外進出先として日本を選ぶ可能性があるのです。

また、日本企業の保守的なカルチャーは、韓国ベンチャー企業からすると、中長期的な契約を見込むことができるという魅力があります。2010年代前半には、多くの韓国ITベンチャー企業が日本市場を目指していました。

結果、一部の例外を除いて、多くの韓国ベンチャー企業が日本市場の開拓に苦戦しました。その理由は、日本を自国市場の延長線上に捉えたものの、二国間におけるIT製品の採用基準に大きな違いがあったからです。

日本企業と韓国企業の違いとは

日本企業と韓国企業では、企業のIT製品採用判断基準評価体系が違います。韓国企業では「判断が早い」ことが重要視され、日本企業ではとにかく「品質」を重要視します。

とくに韓国のIT業界においては、いち早く商品をリリースし、不具合があれば素早くサポートすることで顧客に喜ばれます。

韓国企業の判断の早さは、顧客との年次のライセンス更新が約束されないという側面もありますが、ベンチャーにおいてはトライ&エラーの経験を通じて成長していくという考えが根本にあるためです。

一方で、日本企業は実績と品質を重んじる保守的な文化があります。

では、異なる文化的背景で育った韓国のベンチャー企業が日本に参入すると、どうなるのでしょうか。

おそらく、開発会社が十分だと考える品質と、顧客が求める品質のレベルにギャップがあるため、なかなか採用されないという事態に至るでしょう。

海外ITベンチャー企業と日本企業の提携例ー「企業向け検索ソリューションの市場展開」

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ここで、私の実体験をもとに、海外企業と日本企業の提携事例をお話しします。

当時、私はベンチャーキャピタルから、投資先の韓国ITベンチャー企業に転職し、企業向けの「検索サーバー」と「検索ソリューション」の日本市場における展開を担うこととなっていました。

検索ソリューションとは、検索サーバーを中心としたテキスト情報統合・分析システムの呼称です。

私のミッションは、日本市場で自社製品の認知度を上げ、導入事例を積み上げることでした。金融機関から畑違いのITベンチャーに飛び込んだため、私はとにかくがむしゃらに動き、40度の炎天下の中、検索サーバーを二輪のキャリーカートで運び、震災当日に余震で揺れる高層ビルで商談に挑みながら、お客様やパートナー様と少しずつ実績を積んでいました。

パートナー候補の担当役員やエンジニアを韓国本社までご案内し、社風や商品性能を本社のスタッフと説明したこともあります。

これまでの成果につながった提携事例を振り返ると、以下のような種類に分類できます。

海外ITベンチャー企業と日本企業の提携例
  • 日本用モジュール商品組み込み
  • パッケージ商品の販売代理店
  • システムインテグレーターへのライセンスとノウハウ提供
  • 他社ソフトウェアへの検索エンジン提供
  • 共同研究開発

日本用のモジュール組み込み

私たちの検索エンジンは、日本で市場展開するにあたって、文書ソフトの「一太郎」に対応する必要があり、国内メーカーからツールを提供していただくことになりました。

当社のエンジンが売れると、相手のツールも売れるので、相手から見込み客を紹介していただいたこともあります。

パッケージ商品の販売代理店

テキストマイニング機能つきの検索サーバーを中小企業や士業、あるいは大企業の部門向けに展開していました。

いまでは当たり前となっている「検索ワードに対する関連度順の結果表示」をいち早く商品化していたため、ベンチャー企業のコンテストで表彰されるなど、注目を集めていました。

ナレッジ・マネジメント商品を拡充したいソフトウェア商社や、検索ソフトを載せて付加価値をつけたいサーバーメーカー、中小企業に商流をもつオフィス機器商社などに販売代理店となっていただきました。

システムインテグレーターへのライセンスとノウハウ提供

当社はテキスト情報を統合分析し、視覚化する一連のソフトウェアに加え、韓国の国防省や国会図書館、特許庁での導入・運用ノウハウを保有していました

その結果、当社の技術をシステム開発案件で活用できるシステムインテグレーターからは、高度なテキスト情報分析を実現するソフトウェアとしてご関心いただき、提携にいたったこともあります。

他社ソフトウェアへの検索エンジン提供

大手システムインテグレータが開発したグループウェアの検索エンジンとして、またシステム開発会社のバーチャルコンシェルジュ内蔵のテキストマイニング付き検索エンジンとして採用いただき、間接的ですが多くの日本の方々にご利用いただきました。

大手企業の新商品を支えた事例は、販売額以上の宣伝効果がありました

共同研究

セミナーで紹介した人工知能技術を活用したソリューションにご関心いただいた大手通信事業会社と、試験的な共同研究にいたりました。

日本進出を目指す海外企業との付き合い方ーキーワードは「As Is(アズ イズ)」

みなさんがどのように日本進出を目指す海外ベンチャーと付き合い、商売に繋げられるのか。そのキーワードは、「As Is(アズ イズ=そのまま)」です。

どのような海外企業と付き合うべきなのか

前提として、相手が日本市場開拓の本気度と十分な資本力があることが大切です。

あなたの会社で十分に調査し、商品の特性とリスクを十分に理解して、「商品に追加の改修なく取り扱うことができる」と判断した相手と組みましょう。

先ほどご紹介した私の提携事例は、パートナー各社向けに追加で開発対応したものではありません。日本であれ韓国であれ、大口発注の確約でもしない限り、ベンチャー企業に商品の修正などの支援を期待することはできません。

また、あなたが提携先の調査と精査にリソースを割けないのであれば、会社の外形的な要件からもある程度絞り込むことができます。

具体的には、日本で営業体制をもつ法人があり、営業、開発エンジニア、テストエンジニアの3人が常駐しているといった場合には、相手の本気度を信用できますよね。

おそらく韓国であれば、年商が10億円以上あり、ベンチャー向けの証券取引所に上場している、または上場が見込まれているぐらいの成長ステージでしょう。

注意するべきケースとは?

なんとなく良さそうな海外案件を仲介業者から紹介された場合は、注意しましょう。

相手の源泉技術の理解、市場性の調査、日本市場向けの改修有無の確認、品質の確認など、商品をリリースするまでの対応に時間が取られてしまうと、発売したときには、おそらくトレンドから遅れてしまっています。

加えて注意したいのが、相手の海外ベンチャー企業が「日本向けに特別なカスタマイズ開発を行った商品」を売ろうとする場合です。

実際に日本の見込み客へ商品を紹介すると、機能修正の要望が上がり、何度も改修を求められます。

仮に、最初のバージョンで顧客の要望を満たしたとしても、Ver.2、Ver.3…と日本市場のためだけに追加開発するのは、主市場が母国であるベンチャー企業にとって、相当な追加負担となり、そのうち対応が行き届かなくなります。

ですから、たとえ完全に商品化できていなくても、あなたの会社ですぐに採用できる商材をもつ相手を探しましょう。

海外企業との組み方とは?

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では次に、日本企業の業態をふまえ、海外企業との組み方を説明します。

海外ITベンチャー企業との組み方 
  • 共同商品開発・OEMパートナー
  • ソリューションパートナー
  • 販売・流通パートナー

共同商品開発・OEMパートナー

あなたの会社に開発部門があり、相手の技術を理解し、日本でマーケティングできるのであれば、積極的に海外企業を調査して提携先を探しましょう。

日本支社がない規模のベンチャー企業であっても、相手の技術を自社商品・サービスに取り入れる、またはOEMのライセンス提供を受けて、新商品を開発できる可能性があります。

提携事業を成功させるためにも、協議の初期段階から相手の海外本社を訪問し、日本の展開パートナーであるあなたと同じ目的意識をもち、それを定期的に確認できる仕組みを構築しましょう。

あなたが日本固有のツールをもっている場合は、日本市場を目指す海外企業と協業を始めるのは難しくないでしょう。相手にツールを販売して組み込んでもらうだけではなく、状況次第では、先方の商品を自社ブランドで販売できるかもしれません。

また、ある程度の研究開発の予算があれば、試験的にライセンスを購入して、レクチャーやトレーニングを受け、コアな技術情報を吸収できるかもしれません。

ソリューションパートナー

あなたの会社がシステム開発事業を行っており、海外企業との提携で新しいソリューションの提供を考えるのであれば、マーケティング目的のデモ環境を快く提供できるような、体力のある企業と組みましょう。

人員体制としては、最低でも本社側に日本事業の専任者が必要で、できれば日本拠点に開発エンジニアがいることが望ましいです。
なぜなら、顧客へのソリューション提案の初期段階において、デモサイトの構築が必要となるのですが、日本事業の専任者がいない場合、本社の社員にとって日本対応は手間にしかならず、対応の優先度は下がる可能性が高いからです。

共同開発の場合と同様に、早い段階から相手の本社を訪問し、共通の目的認識をもつことに加えて、可能であれば相手の本国でトレーニングを受け、相手からのサポートなしでソリューション開発できるまで技術習得することも視野に入れましょう。

販売・流通パートナー

あなたの会社の強みが技術力よりも販売力なら、日本法人を構え、カスタマイズ開発とパートナー支援できる体制をもっているか、または、すでに日本展開を技術面で支援できるパートナーがいる相手と組みましょう。

もし、日本のパートナーを介さずに直接取引するのであれば、日本法人で自立して開発と顧客対応を継続できるなど、十分に相手の経営体制を確認しましょう。

繰り返しにはなりますが、技術的な対応を海外本社に依存していると、サポートが脆弱になりがちです。バグや不具合が発生した場合にも、日本での商品使用環境の再現に手間取り、あなたの顧客対応に支障をきたす恐れがあります。

まとめ

あなたが海外ITベンチャー企業と組む場合、相手に必要な条件は、あなたの会社の強みによって変わります。

どのような組み方をする場合でも、主体的に調査し、日本企業と同様のサポートや品質があると過度な期待をせず、あなたの会社で商品やサービスのリスクに対処できるような相手を選びましょう。

もし、あなたが日本向けの追加開発なしに「As Is(そのまま)」の形で自社商品に組み込むことができる、または販売できる海外の商品やサービスを見つけられたら、きっとそこに商機があります。

みなさんの会社が、海外ベンチャー企業との提携を通して一層発展していくことを期待しています。

転載元は、創業手帳様の下記サイトです。ご参考くださいませ。

海外ベンチャー企業から見た日本市場の魅力ー日本企業はどのような姿勢でのぞむべきか

 

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新時代に向けた海外の仕入先開拓法

起業・資金調達 国内No.1メディアの創業手帳様にまたまた記事を掲載いただきました。

今回は『これからの時代に向けた海外の仕入先開拓の手法をご紹介』というタイトルです。

以下、掲載記事のほぼ全文を掲載させていただきます。

前回の掲載記事はこちら
mendoydx.hatenablog.com

 

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仕入先は自分の目でしっかり見て選びましょう

 

新型コロナウイルス感染症の影響により、世界中で移動が制限されていますが、欧米や中国では騒動の終息を見込んだ段階的な経済活動の再開が模索され始めています。

私たちも、「ニューノーマル(新常態)」と呼ばれる次の時代に向けて、海外ビジネスに視野を広げ、海外から商材や部材の調達を進めて、事業拡大または競争力を高めていきましょう。

今回は、私の実体験にもとづく海外仕入先開拓の方法について書いてみました。

海外仕入先開拓の方法は、海外ビジネスを検討し始めた中小企業や起業したばかりの方はもちろんのこと、在宅勤務で増えた時間を活かし、海外輸入で副業を考えている方にも、大きなヒントになるはずです。

目次

海外仕入先を開拓するためのステップ

海外仕入先開拓の手段は、予算規模によって変わりますが、ステップとしては、調査・コンタクト・選別・交渉・契約・フォローの大きく6つとなります。

今回は、海外にツテがないような、比較的小規模の事業を想定してご紹介します。

1. 調査ー英語で検索して主要なキーワードを洗い出す

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海外からの仕入れ、または調達を考えている事業に関するキーワードを英語で検索します。英単語が分からなければ、Google翻訳などで翻訳しましょう。

関連企業のホームページや主要なメディア、ブログが検索結果の上位に表示されるので、それらのページを閲覧し、企業名をリストアップしていきます。

外国語のページを閲覧するときのコツは、Google Chromeのブラウザを開いて、画面翻訳機能をフル活用することです。

近年、翻訳機能の精度は向上しており、英語から日本語へ変換すると、だいたい内容を理解できるようになります。英語の翻訳に時間をかけることなく、効率よく情報収集することができるのです。

情報収集するには、コンタクトしたい企業名と「イベント」、「展示会」、「協会」などの仕入れに関するキーワードを組み合わせて検索します。

そうすることで、ターゲットが参加しているイベントや団体のWebサイトが見つかります。無料で集まるイベントよりも、有償でイベントに参加している関係者や協会の会員は選別された「筋の良い」パートナー候補といえます。

検索して出てきた情報を読み込んでイメージを掴んだら、予算の範囲内で関連のイベントに参加したり、協会に入会しましょう。

担当者や経営層の連絡先を得たり、勉強会の告知やメーリングリストへの広告、ニュースレターへの記事掲載などで、業界での認知度を上げる機会を得ることができます。

2. コンタクトー仕入れ候補先を絞り込んでコンタクトをとる

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海外のビジネスイベントへの参加費用は、国や業界によって相場が異なります。おおよそ数千円から5万円くらいをみておけばよいでしょう。ブースなどの出展者であれば数十万円から、スポンサーとしてイベントのWebサイトや会場に会社ロゴを掲載するのであれば、100万円から1,000万円という予算感になります。

イベントの選び方は、あなたのターゲットが絞れているのであれば、巨大イベントよりも開催実績のある特定の業種に絞り込まれたイベントをおすすめします。

イベントへのブース出展やスポンサー参加は高額になりがちですが、主催企業にこちらが期待することを伝えておくことで、希望する相手との商談をアレンジしてくれることもあります。

また、申込みの検討段階であっても、あなたの社内稟議に開催実績のデータが必要であることを伝えれば、前年の来場者や参加企業のリストをくれることもあるので、参加を検討するのに活用しましょう。

昨今ではコロナ禍のため、大型の集客イベントが中止または延期され、在宅で参加可能なZoomYoutubeなどを活用したオンラインイベントが開催されています。
私が参加したことのある海外の商談イベントでは、ライブストリーミングによる基調講演や、バーチャルミーティングによる個別商談会を組み合わせてイベント開催を継続しています。このように、商談イベントは形を変えて継続していくと考えています。

2-1. コンタクト先を絞り込む

イベントや協会に参加して増やした取引希望先のリストから、実際の取引先を絞り込んでいきます。

コンタクトの初期段階においては、日本語による主語・述語・目的語を含めた簡潔な文面であれば、Google翻訳を介して十分に意思疎通ができます。こちらは、あくまでもお金を支払う側なので、相手はコミュニケーションを取ろうとしてくれるでしょう。

また、こちらが先方の顧客になる仕入れの場合は、ホームページのお問い合わせ窓口へのメール送信であっても、返信を得られることが多いです。仮に10社へメールを送った場合には、その内の数社から返信が届くので、返信の速いところと連絡を取り始めましょう。

海外企業に英語でメールを送るコツは、「貴社商品・サービスを買いたい」または「日本市場で展開したい」など、相手のメリットが明確で、かつ簡潔なメッセージを書くことです。

たとえば、表題も「〇〇社から問い合わせ」などではなく、「日本市場開拓の相談」とすることで返信率は上がります。メールを送信した後に、電話でフォローを入れることで、より返信率を上げることができます。これは、日本の営業と同じ手法ですね。

また、世界最大級のビジネス特化型SNSであるLinkedInで企業名を検索して、社員に直接連絡するといった方法もあります。

3. 選別ー仕入れ候補先を選別する

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ここからは、連絡をとっている複数企業から一つの会社に絞り込んでいきます。

仕入れ候補先にとって、こちら側の予算規模が相対的に大きい場合、契約を成立させようと前のめりに交渉してきます。こちら側としても、取引を始めてみないことには海外ビジネスの経験が積めないため、ついつい相手を見極めずに契約を結んでしまうことがあります。

しかし、こちらが仕入れ先を一歩引いた目で見定めなければなりません。

また、相手の商品やサービスが、日本と取引するための規制をクリアしているか確認しましょう。たとえば、電子機器などであれば、日本の電気用品安全法に基づく表示(PSEマーク)がついていなければならないなど、国内規制や承認基準をクリアしていなければなりません。

先方にとっては、どれだけ販売が期待できるか分からない日本市場に先行投資することになるのため、嫌がられることが多いです。相手が「これから規制に対応する」、「お客様ができたら対応する」という姿勢を崩さないのであれば、そういった相手との交渉は後回しにしましょう。

それでもビジネスを進めたい場合には、費用や人的リソースを折半する覚悟が必要です。

3-1. 相手に海外取引経験があるか確認する

つぎに、相手の海外取引経験を確認します。英語でコミュニケーションが取れるような、海外との取引実績がある相手を優先します。特にあなたが海外と初めて取引する場合には、現地の言葉を使えない限り、英語を使えない企業との取引は避けるべきです。

海外との取引経験がある企業を選ぶべき理由は2つあります。一つは、取引の状況や経緯がブラックボックス化するリスクがあること、もう一つは相手の教育コストがかかることです。

相手の担当者が日本語を使えることはありますが、一定以上の会社規模を超えない限り、社内に日本語話者がいることは少ないため、協議資料の社内回覧にも苦労します。その結果、情報のブラックボックス化が起きます。

また、英語が使える人材がいない会社は、海外との取引実績が少ないため、相手に日本の規制対応を指導したり、ビジネス言語を共有する労力が必要です。

初めての海外ビジネスは、英語による対応や海外の法規制、商習慣の学習に手間がかかります。それに加えて、どちらも初めての海外ビジネスとなると、協議の進捗が遅延することがあります。

あなたが経験を積めば、海外取引をしたことがない会社をリードして、独占契約を結ぶなど利益率の高いビジネスをすることができるので、まずは手堅く進みましょう。

もし、相手の会社属性が気になる場合には、法人登記番号やTax ID、事業登録証など、インターネットで閲覧可能な情報を先方に要請してみましょう。情報が得られたら、登記上の社名や経営陣、あるいは主要株主をインターネットで検索して「不信感を持つような記事」にヒットしなければ、安心感をもって協議を先に進められます。

逆に公知の情報を得られないのであれば、法人化していないなどの事情が推測できるので、相手に事情を確認します。理想としては、相手に過去の財務諸表も提出してほしいところですが、こちら側に交渉力がなければ、取引開始前にそこまで要求すると相手は嫌がるでしょう。

小口のビジネスの場合は、PayPalでの決済を認めてもらうことで、送金先の銀行口座に本来の相手が存在しないという最悪の事態を避けられます。

個人的な経験ですが、前職では発展途上国の企業との交渉が多く、英語の意味とは別に発言の趣旨が理解できず、欧米先進国との交渉とは異なる「ビジネス言語」の共有に苦労しました。相手のホームぺージや会社紹介資料の経営陣の経歴に、外資系大手の勤務経験や留学経験があればビジネス言語を共有しやすいのではないかなど、会社像をイメージして相手を選別していました。

4. 交渉ー実際に仕入れ候補先と交渉する

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仕入れ候補先の選別ができた後は、それぞれの相手と協議することになります。こちらはお金を払う側なので、自分たちのペースで落ち着いて相手を見定めましょう。

小口での商品輸入など、金額が少額であれば、メールでやり取りが完結する場合もあります。法人同士で継続的な取引を前提とする場合は、契約締結に向けたメールに加えて、遠隔会議ツールで協議を重ねることになります。

ご自身や社内に英語ができる人材がいないのであれば、協議が複雑になる前に、通訳なり英語でコミュニケーションを取れる人と組み、オンライン会議で詳細を話しましょう。

4-1. 交渉を行う上でのコツ

比較・検討のためにも、できるだけ複数の仕入れ候補先と交渉しましょう。海外取引に慣れていない会社や、海外資金調達のような滅多にない商取引では、相手の営業担当がここぞとばかりにとんでもない条件を持ち込んでくることもあります。

また、取引相手と長期的に安定した関係を築くという前提で、少額の取引から始める、または支払いのマイルストーンを複数決めるなどして、少しずつ着実に協業を進めましょう。

条件面では、相手がブランド力のある経験豊富な企業であれば、ある程度は「授業料」として条件を譲歩することも大切です。こうした協議に慣れてくると、日本での販売実績、まとめ買い、繰り返しの購入、早期割引、テスト販売などの理由で値下げ交渉することもできるようになります。

4-2. 交渉する際の伝え方

お互いにビジネス上のメリットがあるかを早めに見極めるためには、要望を明確にしましょう。

海外のビジネスパーソンは、自信たっぷりにプレゼンしてきます。相手の商品を魅力的に感じており、仮にあなたが販売代理店の立ち位置を担うのであれば、自信をもって「日本での販売を任せて欲しい」など、やや強い気持ちで伝えるぐらいがちょうど良いでしょう。

私たち日本人は、海外の人に比べて表現が控えめなので、相手に自信がないようにみえてしまうことがあります。言質を取られないように注意しながら、普段よりもアグレッシブに気持ちを伝えて構いません。

もし、あなたに英語ができなくて通訳が必要だとしても、まず日本語で構わないので、熱意をもってメッセージを伝えましょう。声色や提案内容の濃さで、あなたの本気度は伝わります。

大事なことは、必ずテキストにしてメールやチャットで相手と認識を共有することです。事前に「議題」を共有すること、会議後に「決定事項」、「次のステップ」、「スケジュール」を共有しておけば、効率よく交渉することができます。

また、相手の言っている内容に違和感をもったら、遠慮せずその場で何度でも聞き直しましょう。英語力が不足していることで、議論の前提や認識が共有できていないこともあり、会議後に誤解に気づいても、仕切り直しするために大きな時間のロスになります。

日本人同士の場合、議論は相手の話を聞く前提ですが、外国人は同じように考えません。持論を語る相手の会話をさえぎるぐらいが丁度よいでしょう。

5. 契約ー相手の契約の理解度を把握する

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こちらが契約内容を理解するのは当然ですが、相手が契約に関する条件を理解しているか注意する必要があります。海外ビジネスの経験が少なく、契約内容のメリット・デメリットを全然理解していない相手の場合、締結直前や取引開始後にトラブルになってしまう可能性があります。

さらに、国や業種、会社の規模によって契約の尊重度合いはまちまちです。秘密保持契約程度であれば、あまり目くじらを立てる必要はないですが、継続的な取引に関する契約であれば、社内に法務部門がない場合、できれば費用をかけて専門家に目を通してもらうか、ドラフト(下書き)を作成してもらう必要があります。

インターネットで契約書の雛形を見つけることはできますが、契約の内容と取引の実務で食い違いがあるなど、素人には分からないことが多々あります。

6. フォローー取引開始後にフォローする

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取引開始後は定例報告会など、メールや遠隔会議でコミュニケーションが発生する仕組みを作りましょう。

取引開始直後の互いに緊張感をもっている間やビジネスが順調なときは、メールへの返信も速く連絡を取りやすいのですが、マンネリ化したり協業が停滞したりすると連絡が滞り始め、相手の様子が全然みえなくなってしまいます。
何もなければよいのですが、最悪の場合、不適切な事象が起きている可能性もあります。

そうでなくても、協業が停滞すると顔が見えないことから、互いに不信感やストレスが溜まり、せっかく開催した遠隔会議でも言った言わないの不毛な水掛け論が起きてしまうこともあります。

こうした事態を避けるために、ひと手間増えてはしまいますが、大事な内容は必ずメモ程度でもよいので、メールなどで共有しましょう。タイミングが合えば、現地に足を運んで直接ヒアリングしたり、弁護士事務所や監査法人などの信頼できる現地のエージェントに頼んで、定期的にモニタリングしてもらいましょう。

まとめ

表現に語弊があることを承知の上でストレートにいうと、海外の人たちは日本人からすれば、ビジネスにおいて、ある意味で適当です。

さらに、欧米先進国と比べて発展途上国では、ビジネス文化が想像できないぐらい日本と異なります。日本人は正直であることや正確であることを美徳としているため、海外との商談において「嘘をつかれた」と感じることすらあります。

営業部門の相手にしてみると、ただ単にテンポよく話を進めるため、他意なく発言していることが多いのですが、日本人の几帳面さからすると「嘘」と感じてしまうことが多いです。逆に海外では、日本人は曖昧でスピード感がないとみられがちです。

海外との取引においては、商談相手の言うことを話半分で捉え、メールで確認したり、契約書に落とし込んでリスクヘッジするとともに、可能な限り交渉カードを残しておき、状況をコントロールする手段と意識をもっておきましょう。

以上のように、海外仕入先の開拓は、開拓時から取引開始後まで手間と費用がかかります。今の時期に海外事業の準備をリモートで進めることで、その後の事業成長に貢献することはもちろん、その過程で得られるリモートマネジメントのノウハウを、ニューノーマル時代に必須のサバイバル能力として活かしていくことができるでしょう。

転載元は、創業手帳様の下記サイトです。ご参考くださいませ。

新時代に向けた海外の仕入先開拓法ー海外ビジネスの達人が実体験をもとに解説 | 起業・創業・資金調達の創業手帳

 

いよいよ海外出張となった場合にはこちらの記事をご参考ください。 

mendoydx.hatenablog.com

 

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新型コロナの影響下でも負けない!英語起業のコツを海外ビジネスの達人が解説

先日に続き、起業・資金調達 国内No.1メディアの創業手帳様に記事を掲載いただきました。

今回は『新型コロナの影響下でも負けない!英語起業のコツを海外ビジネスの達人が解説』というタイトルです。

以下、掲載記事の抜粋を掲載させていただきます。

前回の掲載記事はこちら 

mendoydx.hatenablog.com

 

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起業とは自分で考えて道を進むことです

現在、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行で海外渡航が制限されたことによって、翻訳・海外ビジネス支援とも深く関わりがある、海外展示会や来日イベントなどの物理的な交流が中止されています。

短期的な収束は難しいという見解もあるため、この状況が長期化することも想定した上で、現在もコツコツと準備を進めている人たちが、つぎのチャンスを掴むことができるでしょう。

目次

AI時代に英語を活かしたビジネスで生き残るには?

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機械翻訳は急速に精度が向上しています

AIが台頭する時代となり、便利な翻訳ツールも続々とリリースされてきています。こうした中で、通訳・翻訳サービスにも大きく変化が求められています。

今回の記事では、通訳サービスをメインに起業した私が、AI台頭後の通訳・翻訳ビジネスで生き残るための考え方をお伝えします。

すでに業界での経験が長い方には釈迦に説法の話ばかりかもしれませんが、これから英語を使って起業しようという方にはきっと役立つと思います。

語学が堪能なだけでは仕事に困るようになる

通訳・翻訳サービスには、文法・語彙を翻訳する言語的な意思疎通と、ひとの心情・表情、文化的背景に裏打ちされた非言語的な意思疎通の2つの側面があります。

このうち、AIは前者の言語的な通訳・翻訳を得意としています。AIが普及した世の中において、「言葉の壁」はいずれ無くなるともいわれているほどです。

将来的には海外留学や国際結婚、外国からの移住者が増えることによって、語学に堪能な人たちが増え、多言語話者も珍しくなくなります。

技術革新によって英語が使いやすくなり、さらに英語話者の供給も増えるため、語学が堪能なだけでは専門能力としての市場価値は下がっていきます。

外国語を扱う業務を経験した人であれば理解いただけると思いますが、これからは語学が堪能なだけでは、仕事に困るようになるでしょう。

英語を活かして独立・起業する2つのポイント

語学を武器に独立・起業したい気持ちは、私もよく分かります。では、今後英語を活かしてビジネスを行っていくためにはどうしたらよいのでしょうか。

英語を活かして独立・起業するには、下記の2つが必要だと考えます。

  • 自分を見つめ直すこと
  • 自分なりに社会の変化を捉え、自分なりのビジネスを創造すること

1つ目は、自分の人生を見つめ直し、語学以外の独自性を見つけることです。
AIが苦手な分野である非言語的な独自性、それがあなたの個人的な人生経験をふまえたものであれば、それは他の人にも真似することができない強みとなるでしょう。

2つ目は、いま起きている生活の変化や社会の変化を整理して、自分の語学力を必要としている人たちを見つけることです。

私の場合は、海外企業と日本企業間の交渉や提携分野に長年関わってきたので、「語学力✕商談支援」を切り口としてサービスを提供しようと決めました。

たとえば、技術的にはGoogle翻訳やポケトークを用いて、英語と日本語を双方向に翻訳することは可能です。しかし、日本のサラリーマンが「一旦、持ち帰って検討させてください」あるいは「あなたの提案には違和感があります」と言った場合、そのまま英語にしても真意は伝わりません。

少なくとも、相手に日本企業でのサラリーマン経験が数年ほどなければピンとこないでしょう。

しかし、日本と海外でビジネスの経験がある私なら、ビジネス文化的な側面をふまえた通訳をすることができます。このように生活や社会の変化を整理することで、ニーズがみえてくるのです。

社会の変化を捉えた上で必要なビジネスを提供

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社会は今まさに変化しています

いまやインターネットは普及し、個人と個人はネットで世界中とつながり、個人単位で海外ビジネスを始められるようになりました。

少々強引な例えかもしれませんが、スマホを使って地球の裏側のメルカリやヤフオクのようなサービスにアカウントを作り、自宅の不用品の写真を掲載すれば「国際ビジネス」の準備完了です。
英語もGoogle Chromeのブラウザで画面翻訳してしまえば、大体意味のわかる日本語に直るので、言葉の壁も取り払うことができます。

(実際には国により許認可が必要な場合や、現地在住者がいなければならないなどの課題もありますが、始めるだけならそれほど難しくありません)。

しかし、ビジネスを立ち上げてインターネットでつながった先の人と、コミュニケーションすることを考えた場合、文化的な違いもあり、お互いを上手く理解することができません。
そんなときに私の商談支援サービスを活用することで、円滑かつスムーズに商談を進めることができます。

このように、社会の変化を捉えた上で必要となるビジネスを考えることが大切です。

フリーランスプラットホームを活用した起業のコツ

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フリーランスでも世界を見据えたビジネスができます

当初は、ランサーズやクラウドワークス経由で、英語を必要とする日本の人たちにサービスを提供していました。そこから発想を広げ、海外のフリーランスプラットホームに登録して、日本語のサポートを求めている海外の人たちに対してもサービスを提供し始めたところです。

たとえば、最近では海外のフリーランスプラットホームで海外製の戦国ゲームを日本語化する案件を受注することができました。過去に私が「信長の野望」という戦国ゲームにはまっていた、というアピールが発注者の心に刺さったようで、ほかの競合と比べた際の強みとなりました。
これが先述した、語学以外の独自性ですね。

フリーランスプラットホームの翻訳案件では、英語のYouTube動画の日本語字幕の作成や英語字幕の作成、吹き替えなど、時代を反映した案件もよく目にするので、まずは副業からという人の腕試しにもちょうど良いのではないでしょうか。

新型コロナウイルス感染症による影響で、在宅勤務の機会が増えてきている今だからこそ、語学で独立しようと考えている皆さんには、時間をかけて自分の経験を振り返り、「言葉の壁」がない世界を想像してほしいです。

私の知っている範囲では、外国人の恋人ができる英語コースやAmazon・eBay運営者との英語交渉代行など、AIが機械学習できない個人の経験をふまえたコンサルティング、新しい市場機会を取り込んだサービスで独立した人もいます。

いまが、あなたの独自性を活かした将来のビジネスチャンスを考える絶好のタイミングであると、私は信じています。

 

転載元は、創業手帳様の下記サイトです。ご参考くださいませ。

新型コロナの影響下でも負けない!英語起業のコツを海外ビジネスの達人が解説 | 起業・創業・資金調達の創業手帳

 

 

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リモート商談の達人が語る遠隔商談術とは?

今回の日本7都府県での緊急事態宣言を受けて、これからますます自宅からリモートワーク(テレワーク)する働き方が定着しそうですが、この度ご縁があり、創業手帳様に『リモート商談の達人』として、インタビューしていただきました。

大変恐縮ですが、記事にしていただいた内容からいくつか皆様の遠隔での業務、とくに商談で役立ちそうな内容を少し選んでお伝え差し上げます。

以下、『海外企業との遠隔商談1000回!「リモート商談の達人」が語る遠隔商談術』からの抜粋と加筆した内容ですがご覧くださいませ。

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コミュニケーションとは距離が近くても難しいもの

目次

 

遠隔商談のキーワードは「フォローアップ」と「認識の共有」

まず遠隔での商談だからといって何ら、普段の商談と比べて特別な準備や対応が必要になるわけではありません。

しっかり相手のことを調べ、事前に議題を整理するなど、当たり前の準備が大事です。とはいえ、やはり相対で話すのと比べると相手がどこまで理解しているのかわかりづらく、情報の共有レベルが下がってしまいます。

そこでモニターの先の相手と話しながら、

  • 重要な内容はチャットでもリアルタイムで送る
  • スクリーン共有機能を使い、話している資料を画面に映し出して説明
  • 商談の後に簡単でよいので、話した内容をメモで送ってフォローアップする

といったことが大事になります。

また遠隔ならでは、特に画面がない場合に有効なコツとも言えますが、自分たちのマイクをミュートにしておいて『作戦会議』をしてしまうという事もできます。

遠隔商談は時間の節約にもなり、スムーズに商談ができる

そして何と言っても、リモート商談は遠隔地の相手とも即座にコミュニケーションを取れるので移動時間の節約にもなるということが魅力です。

昨今のテレワークやらリモートワークの奨励とは別の文脈になりますが、直接会えない相手とも相応に緊密なコミュニケーションが取れるということもメリットです。

例えば、企業間のコミュニケーションで頻繁に使われるメールや電話に比べると、顔を見せて、音声と文字情報も駆使してやりとりできるので、かなり細かなフォローができます。

遠隔だからこそ気をつけるべき注意点とは

  • 手軽に駆使できる、遠隔コミュニケーションですが、その手軽さ故に気をつけるべきことも多々あります。
  • 例えば・・・
  • 慣れてくると、相対で合うよりも相手のプレシャーを感じなくなりやすいので、気づかないうちに失礼な対応をとっている場合もあります。
  • そして基本的ですが、電池と電波の状況を確認しないと、急に会議が終了してしまうこともあります。
  • また、どこまで行っても通信状況に左右される宿命なので、日本では起きにくいと思いますが、映像を切り、音声通信だけにしようということも可能性としてはあります。ですので、特に大事な商談の前は必ず事前に通信状況のテストをしておきましょう。
  • 商談相手の国によって使い分けるオンライン会議ツール

  • じつはいま、オンライン会議ツールというものが各社から出されており、従来のコミュニケーションツールやチャットアプリも加えて乱立状態になっています。
  • その結果、海外企業とのやり取りでは、相手国で普及しているツールを使い分けるといういわばカオスな状態になっています。
  • そんな中でも利用度で頭ひとつ抜きん出ているのは、やはりこの分野で歴史のあるSkypeでしょうか。ついでWhatsAppというのが特に軽めの商談でよく使われています。
  • いわゆる『オンライン会議』のような、やや格式張ったやり取りにおいては、今話題のZoomが使われることが新型コロナ騒動の前から増えてきていました。
  • 以下自分が実際に使ってみたツールを挙げてみましたので、ご参考ください。
  • ツール名 特徴
    Skype 普及率が高い
    Zoom 音声品質が安定ビデオ会議に良い
    WhatsApp 電話番号がIDになるので覚えやすい欧米圏の普及率が高い。日本では普及率が低い
    LINE 手軽プライベートと分けたい場合には抵抗がある
    Slack 通話機能が付いている。チャットのイメージが強い
    Google Hang Out 音声が安定Google系が好きな人にとっては良い普及率はいまいち
  • 今後はリモートワークや遠隔商談が主流になっていく可能性も!

  • 皆さんご存知のように、通信環境は年々改善しており、日本でいわゆる5Gが導入されるのも秒読み段階に入りました。

また一定以上の年齢の方には伝わると思うのですが、以前はネットでクレジットカード決済で買い物することも、生理的に避けていたころがありませんでしたでしょうか。

いまはどうですか?Amazon全盛ですよね。

ですので、今後は今回の強制的な『働き方改革』の推進により、広く遠隔コミュニケーションの利便性が知られることになり、今後遠隔で商談することが主流になる可能性も十分あると私は思っていす。

以上、いかがでしょうか?

わたしの場合は、海外企業とのリモート商談が中心でしたが、国内のお客様あるいは社内でのやりとりにも転用可能なコツがあるのではないでしょうか。

この度の新型コロナ騒動で、強制的に働き方改革が進められた感は否めませんが、皆様がコミュニケーション・ツールをうまく使いこなして、快適な在宅勤務ライフを送れるようになれば幸いです。

 

記事全文はリンク先にてご確認くださいませ。

海外企業との遠隔商談1000回!「リモート商談の達人」が語る遠隔商談術 | 起業・創業・資金調達の創業手帳

 

20200513追記:

創業手帳様に再度記事を寄稿させていただきました! 

mendoydx.hatenablog.com

 

とにかく英語で商談するためのサバイバル会話術はこちらの記事で紹介しています。 

mendoydx.hatenablog.com

 

 

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首狩り族とフィリピンの軽井沢(バギオ市・Baguio)2

今回のバギオ訪問は、カフェの開店を目指す、夫学生時代からの友人Amador(アマドール・夫)とAliya(アリヤ・妻)夫婦に触発されて実現しました。 

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左から、友人夫(Amador)、同妻(Aliya)、カフェ店員、著者(Ujike)

彼らに日本人主催のNGOを紹介してもらい、市場調査の名のもとに、スペシャルティコーヒーのカフェや、そうでない一般のカフェでコーヒーを飲み比べたり、日夜バギオのカフェを楽しんできました。はい。 

mendoydx.hatenablog.com

 

なお、タイトルが前回から少々変わりましたが、

  • 『首狩り』はバギオ市一帯を治めていた部族ではなく周辺部族の風習

との識者の方のご指摘を受けて、若干ですが前回分とともに修正させていただきました。(『首狩り族が治めていた』⇒『首狩り族と』)

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コーディリエラ地方は有数のコーヒーの産地

バギオ市があるルソン島北部のコーディリエラ地方は、標高2000メートル級の山々が連なります。

コーヒーの品種には、アラビカ種、ロブスタ種のいずれかに大別され、とくにアラビカ種は飲用として流通するコーヒー豆全体の7~8割を占めるほど、広く世界中で愛飲されています。

その中でも、豊かな風味と酸味を持つ品質の高いものは『スペシャルティコーヒー』として認定されています。

しかしアラビカ種は気候や土壌の影響を受けやすく、栽培できる地域は「コーヒーベルト」と呼ばれる、コーディリエラ地方など赤道付近の高地に限られています。

コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)グループ

このようにコーヒーの栽培条件に恵まれたコーディリエラ地方で、20年以上、コーヒー豆の栽培を通して山岳民族の所得水準の向上と環境保護を両立しながら活動しているのが、反町代表率いるコーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)です。

我らがAmadorとAliya夫妻は、地元バギオで高品質なコーヒーのカフェを開こうと準備を進めるなかで、スペシャルティコーヒーの農園を経営する、CGNの反町代表と知り合い、そこに私がのっかったというわけです。

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CGNグループ反町代表(左)、友人(中)、著者(右)

CGNグループには、ゲストハウスのTALA Share & Guest Houseコヒー農園KAPI TAKOカフェのCafe Yagamの各社があります。

各団体の活動拠点は隣接しており、TALAゲストハウスの入口のすぐとなりにCafe Yagamがあり、その駐車スペースでKAPI TAKOが収穫したコーヒー豆を加工処理しているといった具合です。

私は、今回TALAゲストハウスにて宿泊させていただきました。

TALAゲストハウスは市街から少し外れたお屋敷街の一角にあり、地上の入口から山の斜面に沿って下に降りてゆくように居住空間が広がっています。

清潔な寝室と広いダイニングスペース、自炊するもよし、Cafe Yagamで地元でとれた挽きたてのスペシャルティコーヒーを飲むもよし。

さらに日本の書籍も取り揃えてあったりして、日常から離れて読書に耽ることもできるでしょう。

国内外から当地の山岳民族の暮らしを学ぶ、スタディツアーで度々利用されているのも納得です。

またCafe Yagamでは、昼12時の開店時間前に私が店内を物欲しそうに覗いていると、優しいスタッフさんがテラスに案内してくださり、引きたてのコーヒーとパンを出してくれました。本当にありがとうございます。

(時間外労働を強いて本当に申し訳なかったです。)

Cafe Yagamのテラスで朝食をいただく


Cafe Yagam in Baguio, Philippines・バギオ市のCafe Yagam

そんな優雅なひと時を過ごして、テラスの階段から下の駐車スペースに目をやると、何とコーヒー豆を天日干ししている現場がみえました。

KAPI TAKO農園のコーヒー加工の様子


Kapi Tako Coffee Beans Processing・カピタコ社のコーヒー豆の加工処理

初めて見る光景に興味津々です。 

このように私も爽やかな気候のなか、静かなロケーションでCGNグループの各社にお世話になりながら快適に過ごさせていただきました。

 

*** そして、また旅ブログ風に ***

 

到着早々の韓国料理には面喰ったものの、基本的にバギオは古き良きアメリカの雰囲気を残しており、そこがフィリピンのほかの都市と違いを出している。

例えば米国統治時代の迎賓館的なホテルが、ザ・マナー(The Manor)ほか、いくつかあり、また地域に大学が3校もあるためか、どことなく知的な空気さえ漂う。

道路で流しているタクシーを拾っても、ちゃんとメーターで料金計算しているので、乗車前の面倒な料金交渉も不要である。

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迎賓館的なホテル・ザ・マナー

国内随一の避暑地として有名なだけあり、ここは本当に涼しい。

夜は長そでがないと肌寒いくらいで、室内にクーラーもいらない。

マニラから週末に遊びに来る国内観光客が多く、日本人からすると珍しくもなんともない、松の木の前で彼らがめいめいにポージングしているのも目にする。

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バギオ名物の松林

そして坂道が多い。

もともと狭い土地からあふれ出すように市街地が形成されてためだろう、坂道だらけで上ったり、下りたりせわしない。

もっとも強制的に坂道で鍛えられるおかげで、バギオの市民はフィリピンで最も健康率が高いとか、どうとか。

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バギオの住宅地を臨む

ちょっと市街地から外れると、飼い犬か定かではないが野放しの犬もちらほら。

どれも中‐小型犬のかわいらしいワンコなので圧迫感はないのだが、首輪もしていないし予防接種はどうなんだ、とか、いろいろ気になる。

すれ違いざまに、小走りしそうになるが、逃げると追いかけられるような気がして、スーパー早歩きで通り過ぎたり。

宿泊先のゲストハウスは、一般の住宅街からは少々離れたところにあったためか、夜は犬の遠吠えが聞こえてきた。

オオカミの遠吠えもこんな感じかとか、とか普段なら考えもしない、そんなビビりな夜を過ごせば、爽やかな朝がまたやってくる。 

少し歩けば、ゴルフ場を見下ろして朝ごはん食べられるお店。

The Other Office (Villa Cordillera) 

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ちょっと朝食で足を伸ばしたお店

37万人都市の中心部には、原宿のようやショッピングストリートや、昔ながらの市場と商店街もある。 


Session Road in Baguio・バギオ市のセッション・ロード

そして今回の訪問の目玉カフェ巡り。

The Red Soil Cafe & Coffee Roastery


The Red Soil Cafe and Coffee Roastery in Baguio・バギオ市のレッド・ソイル・カフェ アンド コーヒー・ロースタリー

 

旧友と街のカフェを日夜巡ってはだべってるような、そんな楽しい旅はあっという間に終わるもので、バスに乗ってまたマニラに戻ることに。 

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Victory Linerのバスターミナル

最終日、昼出発の帰りの高速バスのチケットの取得に、朝早めにバギオのターミナルに立ち寄ると、

『レシート印刷しないとチケットを発券できません』

とマニラからの出発時と同様の、またもや無慈悲な窓口対応。

こちらも薄々予測していたこと。

だからこそ、早めにターミナルに来たというもの。

当方、ダメと言われたぐらいで、引っ込むような聞き分けの良いおじさんではない。

ネットで購入したレシートを印刷しようにも、プリンターがないんだからしようがない、の一点張り。

そのうち、半ば泣き落とし。

またまた、お小言をいただきながらも、渋々チケットを発券していただき突破。 

 

(; ・`д・´) 『領収書出して!!』

(ノД`)・゜・。『プリンターがなかったんです…』

 

面の皮は年々厚くなります。

 

5時間後・・・  

標高1,500メートルの高原バギオから、深夜出発の帰国便を待つマニラ空港へ。

ベテラン旅行者たるもの、いつまでたっても発券ゲートの案内が空港の大型スクリーンに表示されないことぐらいでは全く動じません。

何なら、出発ロビーで軽く寝てやります。

そしてフライト予定の1時間前にようやく気づく。

 

ターミナル間違えた💀

やってもた、焦る、焦る、焦る!

出入口の警備職員に、空港ターミナル間の移動方法を尋ねる。

職員 タクシー拾うの手伝ってあげる。ところで、コーヒー飲みたいんだよね~

私 (出た!タクシー拾う代わりのお小遣いせびり

タクシー運転手 いくら出すの?

私 (出た!ターミナル間の移動をするためだけのしょうもない価格交渉、てかメーターどうした?

 

そして無事ターミナルの移動を終え、遠い目をしながらこう思うわけです。

嗚呼ここはもう、平地なのね。

 

フィリピン旅行をお考えのみなさま、セブ島のビーチリゾート気分を満喫したり、マニラで極彩色のナイトライフもいいですが、涼しいバギオで上質のコーヒーを味わう避暑地でのくつろぎも、おすすめです!

きっと思い出に残る旅になること、請け合いです。

*ただし、5月から10月にかけては雨期☔にあたり、連日雨が降り続くとのことなので、ご注意くださいませ~

 

今回のバギオシリーズでご紹介したお店 

Wood Nymph もはや老舗の韓国料理店

Good Taste Café & Restaurant 大勢で楽しめるフィリピン風中華料理

TALA Share & Guesthouse お屋敷街のゲストハウス

Cafe Yagam スペシャルティコーヒーが楽しめるおしゃれなカフェ

 The Other Office (Villa Cordillera) ゴルフ場を見下ろせるホテル併設のレストラン

The Manor at Camp John Hay 昼からピアノが鳴り響く高級ホテル

 The Red Soil Cafe & Coffee Roastery ジブリ風の景色が見える小さなカフェ

バギオへの行き方

マニラ市街地からバスで4-5時間

Victory Linerのバギオ行きバスのターミナルはマニラにPasay(パサイ)とCubao(クバオ)の2つあります。

今回私はPasay(パサイ)のターミナルから乗りましたが、どちらのターミナルからも、1時間に1-2本運行中です。

お薦めは、エアコンとトイレ付のファーストクラスです。(片道約2,000円)

そして出発前に、かならずレシート(Voucher)を必ず印刷しておきましょう!!

Victory Liner 

https://www.victoryliner.com/

*チケットを買うなら、下記チケットサイトの方が、日本語で検索できるので便利です。

私がチケットを買ったサイト

12GO
12go.asia

 

地図:

 

フィリピン・バギオ市のGood Taste Cafe & Restaurant

ローカル気分と最高のコストパフォーマンスを堪能できる食堂

フィリピンの軽井沢とも呼ばれるバギオ(Baguio)市。

首都マニラから、北に245㎞の山岳地帯にある国内有数の避暑地です。

日本では東京-浜松、または大阪-高知ぐらいの距離に相当します。

 

今回の訪問にあたり現地在住の友人夫妻に、バギオの地元民に愛される食堂で、美味しいところを選んでもらったのがこちら;
Good Taste Café& Restaurant

店名を直訳すると『美味しいカフェとレストラン』

ものすごい直球のネーミングです。

場所は市の中心にあるバーナムパークのそばにある6階建てのレストランビル。その全ての各フロアが当食堂。

例えるなら、6階建て全フロアが『サイゼリヤ』のような感じでしょうか。

階段を上り、5階のフロアにようやく空席を見つけ、着席。

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筆者(左)と友人夫妻(右)

料理の種類は中国・福建省からの移民が始めたフィリピン風中華料理で、近隣で取れる野菜をふんだんに取り入れているのが高原バギオならではの特徴です。

 

ではさっそく注文した料理を見てみましょう。

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チキン野菜炒め Chicken Chopsuey

スープたっぷりのチキン野菜炒め Chicken Chopsuey 4人前で220ペソ(約440円)

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薬味たっぷりの蒸し鶏 Steamed Chicken

ふっくら炊き上がった蒸し鶏 Steamed Chicken 190ペソ(約380円)、どっさり乗った薬味がアクセントをつけており、食べて飽きません。

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ウズラの卵入りミスア・スープSoup Chicken Misua with Quail eggs

チキンベースのウズラの卵入り素麺スープ、ミスア・スープSoup Chicken Misua with Quail eggs 3人前 140ペソ、優しい味がしていくらでも飲めます。

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パンシット・カントン Pancit Canton

具だくさんのフィリピン風焼きそば、パンシットカントン Pancit Canton 4人前で190ペソ(約380円)

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豊富なメニュー

選んだメニュー次第とも言えますが、今回注文した料理はふっくら炊かれてた鶏だったり、くたくたに煮込まれた野菜が中心で、味付けも塩味、鶏ベースであっさりしていたので、自分ならずとも日本人の口にあうのではないでしょうか。

 

そして肝心のお値段は、しめて740ペソ(=220+190+140+190)、約1,500円!!

アップの写真ばかりで、分かりづらいのですが各品とも一皿3-4人前あるボリュームたっぷりの料理です。それを4品頼んで、このお値段。

素晴らしいコストパフォーマンスです!

 

アクセスは、マニラからバギオへの移動が5時間前後かかる高速バスしかなく、フィリピン旅行のついでにちょっと足を伸ばすには遠い距離ですが、現地に行く機会があれば、ぜひ寄っていただきたいお店です。

  

野菜料理度:★★★★

店名:Good Taste Café & Restaurant

営業:年中無休

住所: Otek St, Baguio, Benguet, フィリピン

地図:

 

首狩り族とフィリピンの軽井沢(バギオ市・Baguio)1

はじめに

煽り気味なタイトルで、失礼いたします。

皆さんはフィリピンに、日本の軽井沢とも例えられる街があるのをご存じでしょうか?

アメリカ統治時代に開発された、バギオ(Baguio)市という標高1,500mの高地にある人口37万人の都市です。

このバギオ市ですが、日本ではあまり知られていない、興味深い歴史的エピソードや文化的情報が豊富にあります。 

今回は、市場調査を兼ねてバギオの友人を訪問してきた際の雑記を少々書かせていただきました。

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赤いピンで示されるバギオ市

バギオ市とは?

標高1,500メートルに位置する、バギオ市には熱帯の国フィリピンでは珍しい松の木が多く生えてシンボルともなっており、また同国最大の高原野菜の産地です。

近代以降の成り立ちと文化的背景

シカゴを設計した技術者としても知られるアメリカ人Daniel Burnham により1900年ごろに開発された避暑地です。

米国統治時代には、マニラの暑さから逃れて夏季の間(常夏ですが)、首都機能が移されていたためサマー・キャピタル(夏の首都)とも呼ばれている場所です。

計画的な都市開発により市街中央に池を配置された、大変美しい街です。

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マノール・ホテル(The Manor)入口

 

バギオ市のある北ルソンに広く居住する山岳部族は、イゴロット族と総称され、古くは首狩りの風習で知られています*。

*) 北ルソンとは広く、バギオ市のある場所に暮らしていた部族は平和的で、首狩りの風習もなかった旨、訂正いたします。

16世紀から300年続いたスペイン統治時代にも直接的な支配を受けなかったという勇猛な部族で、何度もこの地にスペイン軍が送り込まれたものの、首だけがかえって来たというエピソードもあります。。。

しかし、スペインの統治下に組み込まれた平地の部族は、山岳民の住む高地に侵攻と撃退してきたことから、平地の民と山岳民の間では感情的なしこりは今も残っています。

当地出身の友人によると、『ここで買い物をするときに公用語のタガログ語を話すぐらいなら、英語で話した方が地元民にぼったくられない』というほど、部族間のわだかまりは大きいとのこと。

なお、現在もこの地の子供たちは、長じるにつれて(1)家族と話す部族語、(2)学校で使うイロカノ語と(3)タガログ語、(4)仕事で使う公用語としての英語と、なんと4言語を操るマルチリンガルになるとか。 

日本とバギオ

日本との関係でいえば、戦前にはマニラとつながる道路建設に仕事を求めてバギオに入植していた邦人も多く、また、太平洋戦争におけるマニラ市街地戦敗退後、山下将軍率いる日本軍が撤退してきたのもまたバギオでした。

敗戦の色濃く、補給路を断たれ山岳地に追い込まれた日本兵は、生き延びるために、当ブログでは描写できないような残虐行為に及んだ、という今も現地では語り継がれるエピソードもあります。

マニラからのアクセス 

マニラからは、高速バスで5時間でバギオに到着します。

私は、今回ビクトリアライナー社(Vitoria Liner社)を使わせていただきました。

早朝から深夜まで、ほかにも市内複数個所のターミナルからバスが出ていますが、日中は渋滞に巻き込まれるために、深夜か早朝の出発がおすすめです。

 

では、以下旅ブログ風の雑記を。。。

 

ということで、早朝6時過ぎのバスに乗って出発。

 

早朝5時半に、ホテルのロビーから配車アプリのGrabで車を捕まえたものの、マニラ市の朝は早くも渋滞気味。

せっかく買ったバスチケットが無駄になってしまう。。。

出発ターミナルへの到着は、一方通行のためぐるりと回ったりして、時間ギリギリに。

前夜、ホテルの前でうっかりゴキ(略)を踏みつけてしまった悲しみも忘れてしまいそうになるほど焦った。

 

そして、30分間にはターミナルに到着しておけとの、ネット上の注意書を見なかったかのように、10分前に客が乗り始めた列に並ぶ。

自分も乗ろうと、スマホにダウンロードしたレシートを見せると、紙で印刷していないと乗車券を発券してくれないとの回答、つまり乗車できないという事態。

 

焦る(汗)

 

私 (゚Д゚)ノ 『いやいやいや、ネットで買っていますよね!』

と窓口で押しに押して(ゴネて)、発車を遅らせてチケットをゲット

職員さん (-"-) (-_-;) 🚌

多分、『だから早く来いと言っただろう』と、いたかったことでしょう。

  

バスは当地の友人から、ファーストクラスにしておけとのアドバイスを忠実に守った結果、3列シートのゆったり高速バスで移動。

とはいえ5時間の移動はさすがに遠い。

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マニラからバギオに続く景色

早起きして短くなった分の睡眠時間を十二分に取り戻し、座席前のテレビで最新の実写版アラジンを全部見終わって、しばしぼんやりしたころにやっと山道に差し掛かる。

じつはバギオ市内近郊に、元米軍の空港があるものの、悪天候で離着陸できないことも多く、現内は商用利用されていないことを後に知る。

 

昼の12時ごろに到着してバスを降りると、エアコンが効いているかのような爽やかな空気。

涼しい。。。

とてもマニラ市と同じフィリピンにいるとは思えない冷涼な空気が流れる。

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バギオの松林

そして、ターミナルまで出迎えに来てくれていた何年かぶりに会う友人夫妻たちと合流。

早速、地元出身の旦那さんの案内で『まずは腹ごしらえを』ということで連れてきてもらったお店が、コチラ

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れっきとした韓国料理

(; ・`д・´)?

 

韓国料理、だと??

 

そう、バギオ初の食事は、韓国料理。

旦那さんの友人曰く、当店は25年前からある韓国料理店だから、もはや地元料理と呼んで構わないと笑、と。

『とはいえ何故に??』という、私の疑問はさておき食事は始まる。

そして、味はなかなかのもの。

参鶏湯、餃子、部隊チゲを存分にいただいて、まずは一息。

見渡すと韓国からの団体客もいらしていて、平日昼ながらご繁盛。

(韓国語を教えてくださった、H先生ありがとうございます。まだハングルのメニュー読めます!)

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昔からあるという韓国料理店

このような背景としては、ベトナム戦争当時に、バギオに米軍基地があったたため、参戦していた韓国人が多く定着しているとのこと。

そして今また、英語留学の拠点として韓国系の資本が進出中。

すべてのことには理由がある、と。

その後、数日間を通して街を見ていても、日本料理店や中華料理店よりも韓国料理店が多いことを確認。

 

続く、はず。

 

今回ご紹介したお店

Wood Nymph
36 Military Cutoff Rd, Baguio, Benguet, フィリピン

+63 74 442 8648

goo.gl