地下鉄東山線の栄駅から徒歩8分
昭和の雰囲気を色濃く残す、飲食店ビルの2階にある開業20年の老舗
昼間に下見に来た時には、廊下のライトも消えていてホラー感も漂っていた。
しかし黒いペンキで塗られた階段を登り、右手に折れるとお店のドアが開いてお入り、ひときわ明るい光が溢れている。
蛍光灯のライトが、店内をオフィス内のように明るく照らす。
廊下と室内の明るさのギャップに、一瞬スポットライトを浴びたか、光の扉をくぐった感覚にとらわれる。
すぐに目が慣れ、数歩進んだ先のガラス越しに料理が5-6種類並んだビュッフェカウンターとその奥で忙しそうに働く店員さん達が目に入る。
時刻は18:30、4-5席並ぶカウンター席ではもうお客さん2人が食事している。
食事するお客さんを右手の横目に入れながら、入口から左に突き当たりまで進むと、その角から左手奥にさらに食事スペースが拡がっている。
壁に接したカウンター席とテーブル席いくつか並び、びっしりとフィリピン人のお客さんが座っている。家族連れの子供もいる。
よそ者の日本人が珍しいのか、一斉に目が合う。
注文の仕方がよくわからなかったが、席に着いてもメニューが無く、注文を取りに来る様子もない。
おおよその見当でカウンターに進み、ケース内に並ぶおかずを物色すると、店員さんが片言の日本語で、おかず3種類選ぶよう促す。
料金は定額700円。安い!
お皿は、プラスチックのお盆に広いくぼみと狭いくぼみが二つ付いた学校の給食のお盆タイプ。広いくぼみにライスをよそい、おかずを選ぶ。
今回は、鰤のココナッツミルク煮込み、フィリピン式ビーフシチューのカルデレータ、そしてモンゴ豆の煮込みスープのギニサンモンゴを選んだ。
店内には食料品と日用品が並ぶ棚もあり、見た目にも今までに何度も訪問したいわゆるフィリピン料理店。
しかしそこに油断が生じた。
まずは、鰤のココナッツミルク煮込み。
旨い!
身がぎゅっと締まっていて、かつココナッツミルクのこってり味が絡む。
これはヒット、とほくそ笑む。
次にフィリピン式ビーフシチューのカルデレータをパクリ・・・
何だコレ!!
言葉のあやでなく、文字通り目をひん剝いた。
驚くほど濃密な味。
表現が難しいが、トマトペーストはほどほどで味付けが濃いのではなく、旨味が濃密。
こめかみにグリっときた。
衝撃的に旨い。
某有名食べ歩き漫画のように例えるならば、食べた瞬間に胃袋の溶鉱炉に火が入った。
お皿から口への往復動作が止められない。一瞬で完食。
そして、モンゴ豆の煮込みスープ、ギニサンモンゴ。豆の味が染みわたりホッとする。もう少し早い時間にくればもっと具がたっぷり入っていたようで、惜しい。
店内では、ざっと見てカウンターのママさん、青年、お姉さん、そして厨房内にご年配のママさんが忙しく働いている。
入店時のバタついた混雑は収まったが、お客さんが絶えないので、こちらから話しかけにくい。
当然ママさんもずっと皿洗いやら会計をしている。
が、そこに無理に話かけてみる。
従業員は全員で4・5名いらして、ご出身地方はまちまちとのこと。
また、週末は名古屋の当店まで隣県の三重や静岡の浜松からもお客さんが食べにくるとのこと。
おりしもこの日は連休中の訪問であり、遠路来たお客さんもいたのだろう。
調理担当という年配のママさんは、黙々とカウンター奥の厨房で料理を作り続け出てくる様子がない。
曰く、これから、さらに忙しくなるとのこと。
パブのお姉さんが腹ごしらえに来るのだろう。
とにかく忙しそうなので、お話をなんとか伺って、そそくさと退出。
なお店名のカイビガン(KAIBIGAN)とはタガログ語で友達の意。
フィリピン人100%の店内に、勇気を出して食べに入る価値あり。
衝撃度: ★★★★★(最高5つ)
メニュー例: おかず3品とライス 700円
住所: 愛知県名古屋市中区栄4-11-10 東京ビルディング2階
電話: 052 242 2257
ご参考:
カイビガン (東南アジア料理(その他) / 矢場町駅、栄駅(名古屋)、栄町駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0