千葉交通の富里バスターミナルから徒歩6分、または京成本線の公津の杜駅から徒歩25分
成田方面に向かう電車に乗れば、スーツケースを抱えた海外からの旅行客もゴトゴト揺られ、ポッカリ口を開けて上向いて寝る春の午後。
駅から25分、歩いて到着。
お店の入口で、チキン丸焼きのバーベキューをしている。香ばしくていい匂い。
店内に案内される。一瞬ひんやりして気持ちいい。窓のない部屋だ。隣にも部屋があり子供たちが遊んでいる声が聞こえる。
先客は女性2-3人のグループが二組。ほぼ食べ終えておりおしゃべりを楽しんでいる。土日は1,000円でビュッフェ料理の食べ放題とのことで、さっそく料理ををチェック。
食べ放題のおかずは4品。それにとスープとライスが加わる。
ビュッフェ台の左からピナクベット、チキンアドボ、カレカレ、それにパンシット、といったところだろう。ママさんに料理名を聞かずとも分かるようになってきた。
開店して3年とのことだが、各おかずとも、しっかり煮込まれていて老舗並みに安心感のある味に仕上がっている。
本日のいただいた料理では、久しぶりに食べたチキンアドボがおすすめ。ふっくら炊き上がったチキンに、醤油、酢、こしょう、ニンニクの味が芯までしみ込んでいる。
スープは豚骨だしで濃厚。味は酸っぱくなく、酸っぱい味が少々苦手な自分にはとてもありがたい。
また今回初めて、食後のデザートで食べたサギン・コン・イェロSaging con Yeloという、直訳で『バナナと氷』という、シロップで甘くつけたバナナとかき氷(500円)をいただいた。
ぎゅっと甘味が詰まったバナナ(プランテン?)とたっぷりのタピオカに薄くスライスされたかき氷がトッピング。日本の屋台で食べる人工的な甘味料とはちがう素朴な甘味。
これが夏の味なのだろう、と思ったらフィリピンは常夏の国だった。
来日22年のママさん。
店名のタップシルガウは『お粥の定食』という意味。
ここのお店を始めた理由は、フィリピン人のくつろげる場所を作りたかった、とのこと。夫の暴力(!)など、悩めるフィリピン人妻がここで話していくだけでも楽になれるだろう、との気遣い。
しかし、それだけでなく、近隣の自動車教習所に通うフィリピンがお昼ご飯に困っているのでここにレストランを作れば安定した収入になるとの勝算もあったという。
ちょっと落ち着いた時間でもあり、タイ料理や韓国料理が流行るのに、どうしてフィリピン料理が流行らないのか、ママさんと引き続き立ち話させていただいた。
曰く、料理の見た目が美しくない、野菜が少ないのでヘルシーでないなどなど、メジャー料理になるには課題が多い。
とはいえ、個人的には店内が外から見て分かるようにするなどできれば、通りすがりの日本人客も入りやすくなるのでは、毎度思っているのだがどうだろう。
それとも、そんなことすれば、馴染みフィリピン人客が、心おきなく楽しめなくなり離れてしまうのか。商売は難しい。
主なお客さんは近隣で働くフィリピンの方々、
- 成田市場の従業員
- 自動車学校の教習生
- タレントさん(と呼ばれるいわゆるホステス)
- 成田空港職員
など、ただし、昼は仕事で来れないので夜のほうがお客さんが多いそう。
またこの度、個人的にフィリピンのラム酒の販売エージェントになれそうなので、フィリピンの方にどんなお酒が飲まれているか聞いてみた。
ビール以外では、エンペラドールという日本では2,000円ほどで売られているブランデーがよく飲まれているが、味は…とのこと。
ママさんがと私のことを話したようで、先客の一組が来月、居酒屋を開店することでぜひブログで紹介してほしいと名刺をご所望頂いた。もちろん喜んで名刺を渡したが、いい縁になって欲しい。
メニュー例:
土日の食べ放題 1,000円
サギン・コン・イェロ(甘くつけたバナナとかき氷) 500円
住所:千葉県成田市並木町219-38
電話:0476-85-4700
ご参考: