京浜急行線の横須賀中央駅東口から徒歩5分
表通りに面した窓にフィリピン国旗とマニラキッチン(Manila Kitchen)とのペイントがあり間違えようがない。
階段を登りビルの2階のドアを開けると、人懐っこい笑顔をしたおじさんが食事しながらこちらを見ている。
店員なのか、客なのか。。。
一人客とを伝えると、おじさんは入って左側のテーブル席に案内してくれた。
どうやら店員らしい。
店内は白い壁にシンプルな飾り付け。正面の壁には大きな国旗がかかる。
40㎡ほどの室内は、テーブル席中心だが、奥の角に地味に小上りもついている。やるじゃないか。
先客は、フィリピン料理店には珍しく男性客のみ。
座った席からみて左奥のテーブルに英語で話す3人組、すぐ右ではタガログ語?で話す2人組。そのうち1人は米軍関係者だろうか、体格の良い若者。
筋向いのカウンターそばのテーブルでは、冒頭の人懐こいおじさんと友人の2人組がやっぱり、タガログ語?で話す。
プラスチックケースに入った写真付きのメニューが一枚あり、そこからPalabok(パラボック、1,000円)を選び注文。
パラボックってなんだ?と思いながら待つことしばし。
『ちょっと、待ってくださいね』と心許ない日本語で話す、おじさん。
厨房にはママさんがいるようで、おじさんとタガログ語?でやり取りしている。
BGMにメローな洋楽が流れ、壁に架かるテレビにはBGMと無関係な通信カラオケのランキングが淡々と移り替わる。
周りのテーブルに料理が順に出ていく。
彼らは先客なので何ら不思議でない。
しかしおじさんは、目が合うと『すみませんね』と申し訳なさそうに声をかけてくれる。
そしてママさんが料理を運んできてくれた。。。
・・・春雨 ('Д')?
ママさんから『ライスいらないですよね?』とご確認。
初めての料理だが麺類なので、ひとまず主食認定し、ご飯不要の旨を伝える。
注意深く食べてみる。
ほんのり甘いか、甘くないかの柔らかい細麺に、カリカリの豚皮のフレーク(チチャロン)と挽き肉が絡まったダシ味のあんがかかっている。その上には、ゆで卵とゆでエビが乗る。
見た目にはボリューミーだが、食べてみると意外と軽め。もう少し量が少なければ、小腹がすいたとき丁度良い料理。
後で調べてみたら麺はビーフン(米粉麺)、それなら、ごはん🍚いらないね。
ママさんは6年半前に来日し、横浜の若竹町でお店を開いていたのを、昨年2018年9月に現在の場所、横須賀に移転。
主なお客さんは、近くの米軍横須賀基地に勤務するフィリピン人かアメリカ人。日本人は少ないが、フィリピン人と結婚した人が家族で来ることもあるそう。
おじさんはママさんのご友人とのこと。
今は在留ビザがあるが、過去2‐30年間は不法滞在しながら建設現場で働いてきたかなりの苦労人。
・・・ん?ということはおじさんは、店員でもないのに入店して目が合った私を親切心で席に案内してくれたのであろう。
こういうところがフィリピンの方の憎めないところ。
件のおじさんに、本年2019年4月からできた特定技能ビザについて話を聞いてみたが、ご存じなかった。すでに日本に長く滞在している人でも日本語が流暢でないひとは多いことを最近知った。
こうしたひとたちに、日本語の堅い情報がどこまで届くのか。
収入に直結する話なので、みんな当然新しいビザについて知っているものと考えていたが、案外そうでもなさそうだ。
メニュー例:
パラボック 1,000円
土曜日ランチ食べ放題 1,380円
住所:神奈川県横須賀市大滝町2丁目11−1
電話:046 845 9944
ご参考: