横浜市営地下鉄ブルーラインの伊勢佐木長者町駅から徒歩5分
繁華街ど真ん中のビルの3階。
エレベーターを開けてすぐのところに目に入るドア。
中は見えないがOPENの札がかかる。
普通なら入りづらい店構えであるが、繁華街のフィリピン料理店では典型的なため何度もくぐり抜けてきた。当店にもなじみ客のように躊躇なくドアを開く。
到着したが開店時間と同時の18:00と早かったため、スナック風の店内には準備中のママさんしかいない。
ママさんは最初の二言三言こそ日本語で話したが、すぐに日本語をあきらめて英語で話し出した。
テーブルのメニューも英語のみで、ポーク、ビーフといった大まかな分類以外に説明もなく、なかなか初めてフィリピン料理を食べに来た人にはハードルが高そうだ。
しばらくして、ホステス風(違うかも)の若いお姉さんがご来店。
当店のお薦め料理という、レチョンカワリ(豚バラ肉の素揚げ、1,200円)とグァバジュース(500円) を注文。
料理を待っているところで、カラオケの予約用リモコンとマイクを渡された。無料で歌い放題とのこと。
これまでならば素面で歌うなど、恥ずかしくてとても無理であったが、フィリピン・ビジネスで独立すると決めた手前、ここは一曲歌ってママさんに印象を残す選択肢しかない。
まずは、ママさんとお姉さんへのご機嫌伺いに洋楽の定番ABBAを歌う。
歌っているうちに気分もアガり、大好きなサザンの名曲『希望の轍』を直後に予約、即自分のターンが始まる。
空いているカラオケはかくも素晴らしい。
ご機嫌伺いはどこへ行ったか。
目を細めて、恍惚としてサザンを歌い上げ、当初の目的をどこかに忘れたところで、注文したレチョンカワリが登場!
おっとフィリピン料理を食べに来たんだった。
出てきたレチョンカワリは、外はカリッ、中はフワッと揚がっており、カリカリともちもちの両方の食感を一口で楽しめる。
また、表面が芳ばしく揚がり風味がある一方で、余分な脂身は下茹でのために落ちており芳ばしさと肉のジューシーさのバランスが取れている。
顔を上げるとカウンター越しに、心配そうにこちらの食べる様子を伺っているママさん。黙って親指を立て万国共通の『グー』のサインを送る。
料理を食べたい。しかし指は勝手に次の曲を求めてリモコンのタッチパネルを押し続ける。
『コレは食欲とストレス発散を同時に満たす素敵なビジネスモデルか!』
などと腹落ちするころには、最後に背伸びして予約したBruno Marsがかかり出す。
気持ちよく歌い上げる(歌えていない)。
惨めにごにょごにょ、とごまかして曲を終えると、優しいママさんからお気遣いの拍手(感謝)。
そんな私の熱唱に隣のお姉さんも触発されたのか(そう思いたい)、タガログ語の歌を何曲か美声で歌いあげていたが、帰り際に日本語で絢香の曲をご披露。
…めちゃ上手い。
と、ぼんやり見ている目と目が合って、仲良くなって楽しくデュエット、というラッキー・ハプニングは…全然ない。
本日のママさんは当店オーナーのご親戚で、お店はオープンして15年とのこと。
初めて入るには勇気がいるものの、ゆっくり食べてカラオケも楽しみたいなら、お薦めのお店です。
メニュー例:
レチョンカワリ(豚バラ肉の素揚げ) 1,200円
グァバジュース 500円
住所:神奈川県横浜市中区長者町8-123 Yビル3F
電話:045-243-2685
営業:18:00-06:00
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