『幸手』と書いて『サッテ』と呼ぶことを駅を降りてから知る。
線路東側の出口を出て左に2‐300m直進。再度左折して線路の反対側に渡った先。その街道沿いにお店はあった。
空を見上げる。時間は午後1時半、本日は快晴。
東京23区内とは違う空気が流れる。
都内と同じく床屋や塾はある。しかし駅近くの私営駐輪場など都内では見かけないビジネスもちらほらあり、興味深い。
…今回のお店は、土曜日の朝、ネットで調べていて発見した。フィリピンレストランは夜しか営業していないところも多い中、こちらはお昼から開いている。
これはぜひ今日行かねばと、即決断。
時計を見ると11時過ぎ。
自宅から少々遠い場所なので、無駄足を避けるべく電話し、お店の存在と本日の営業を確認。
電話口に出たのは英語の紳士。
「Hello~...」とお話しだが、やり取りするうちにママさんに電話が代わり、午後2時半まで開いていると伺い、ダッシュで身支度してうちを飛び出す。
…お昼過ぎのお店には、ママさんのご友人女性と日本人のご婦人と息子さんが食事を終えておしゃべりを楽しんでいるところだった。
小学校3年生くらいのその少年は、老マスターと部屋の端っこのノートPCで動画を仲良く見ている。ほっこりする画である。
ママさんのご友人は大きめのテーブルに掛けていて、私はそのテーブルの反対側を選んだ。
座ろうとすると、ママさんが早速食べ放題コーナーにご案内。
本日土曜日のランチメニューは食べ放題のみで、1,300円
内容はおかず4品と、ライス、シニガン・スープ、デザート、コーヒー
お昼をちょうど過ぎたところで、ビュッフェの料理も寂しくなっていたが一人分には十分。
本日の料理では、シニガン・スープと豚足が個人的にお気に入り。
シニガン・スープは酸っぱさが抑えめで、大根?の苦味がちょうどよく合わさりほっこりした味わい。
豚足は、もっちりしつつも、味は濃すぎず、脂っこくなくいい具合。ただし日本人向けにマイルドにしているとのことなので、本格派が好きな方には物足りないかも。
美味しかったので、2周回ったが、食べ過ぎてお腹が苦しい。
いつからか、ペース配分を考えなければならない年齢になった。
バクバク食べている途中に、さらにママさんの別のご友人が来店し、初めて見る中年男性(ワタシ)に、アイス(エッセルスーパーカップ)を下さった!
ママさんにも、コーヒーの後に、お茶もサービスでいただいた。
超・満腹。
フィリピンの方のこうした壁を作らないもてなしは学ぶに値する。
ママさんは、先日私が行ってきた、ビサヤ地方ブトゥアン市(Butuan)のご出身。私の知人の話や、目にした街の建設ラッシュの様子を話して盛り上がる。
来日した時期を伺うと、何と40年前!幸手市で初めての外国人だったという。
お店を始めてからも23年、何回か店名や業態も変えて今に至っている。
現在の店名バメイ(Bam-Ei)は、中華麺と春雨を混ぜた、出身地ビサヤ地方の麺料理の名称。
この料理はマニラの人も知らないと伺い、ちょっと得した気になる。
昔は外国人が珍しかったので、アメリカの放送局CNNの取材を受けたこともあったとか。それが今では幸手市で3つほどフィリピン人コミュニティがあるほど、この地域でもフィリピン人が一般的になってきた様子。
この辺のフィリピンの方は、100円ショップの工場(倉庫?)やお弁当工場で働いている方が多いとのこと。
午前中に私の電話をとって応対してくれたのは、アメリカ育ちの老マスター。米軍にて勤務の経験がおありのことで、私がフィリピンとのビジネスチャンスを探していることを話すと、米軍主催のフィリピンパーティにお声がけくださった。
ほんといい方だ。
これからの事業展開については、現在建設中の幸手駅の西口が完成すると、お店の前の人の流れが多くなるので、新たに朝ご飯メニューも出したいとの構想をお持ち。
『もう歳だから…』と言いつつも、瞳をきらり(ギラリ)と輝かせたママさんの今後に期待がかかる。
メニュー例:食べ放題(土曜日ランチ) 1,300円
営業時間: 11:00‐14:00 19:00‐24:00
定休日: 水曜、日曜
電話:0480-42-5222
ご参考: