仕事を終え、帰り道を遠回りしてフィリピン料理店に立ち寄る。
お店は地下一階にあり、地下に続く階段の入り口には『料理とカラオケのお店』との立て看板。
吸い込まれるように階段を小走りに駆け下りて店に入ると、薄暗い店内でフィリピン人ママさんとお客さんがカウンター越しに談笑中。
カウンター席以外には、低いテーブルを囲むソファの席がある。
見るからにスナック風。
食事ができるか聞くとママさんは迷惑そうに、「やっていない」と早々に出口に案内しようとする。
念の為もう一度聞いても、「やっていない」の一点張り。
押し出されるように店から出る。
スナックだね。
階段を上り終え、そう呟いて家路につく。
そんな夜がちょいちょいある。