東武スカイツリーライン草加駅の東口から徒歩8分
この日もまたネット検索で見つけたフィリピン料理店にやってきた。しかしお店は既に閉業し、別の居酒屋に置き換わっている。
グーグルにお店の閉業を報告するのは良いとして、この後どうしたものかと小さくため息をつく。
移転先など何か手がかりを得られたらとの微かな望みで、居酒屋のお客さんに、フィリピン料理目当て来た旨をおずおずと話すと「それなら、あっちに『じょび』というお店がある」と指をさす。どうも、すぐそばに別のフィリピン料理店があるようだ。
これはラッキー、運命とはこういうことかもしれない。
そのまま指さされた方向に道をまっすぐ100メートル進んで発見!
暖簾がかかる『居酒屋じょび』。フィリピン料理店には全く見えない。しかし、ピンクのネオンが照っているあたり、ただの居酒屋ではなさそうだ。
引き戸をガラリとひいてお邪魔します。
ピンクのネオンで照らされる『じょび』の看板
日曜夜7時前の居酒屋はひっそりしている。
ママさんが奥からひょいと顔を出したので、営業していることを確かめてカウンターに座らせていただく。
料理のメニューを伺うも、居酒屋なのでフィリピン料理はほとんどおいていない
そうは言っても、フィリピンの国民食アドボはここでも健在。
アドボ(酢漬けの肉の醤油・ニンニク・砂糖煮込み)を注文。
定番のアドボ。だいぶ優しい味付けにしてあり、ごはんも進む。
同じくお酒に欠かせない定番のおつまみチチャロンも、豚モツの唐揚げとしてメニューに載っていた。
余談だがアドボを注文すると、結構な確率でママさんが「うちのアドボはこれだけどレシピはたくさんある」という趣旨のことをお話になる。
かなり多くの種類があるようなので、もっと食べ歩いてアドボを作り方やら地域別で類型化してみたいものだ。
さて、ここは居酒屋なので当然お酒は豊富に揃っている。棚をざっと見ていると日本酒や定番の焼酎、ウイスキーに混じって、フィリピンが誇る銘酒『ドンパパ』を見つけてしまった!
ドンパパとは、ネグロス島という小さな島で小規模で高品質に造られたラム。良質なサトウキビから作られるこのラムはライトでフルーティーな香り、口に含むとバニラ、はちみつ、砂糖に漬けたフルーツのような味わいが特徴。(アマゾンの商品紹介から抜粋)
要するに絶品のラムである。
酒の中でも特にラムに目がない私は、自分会議を緊急開催し、8:2の圧倒的賛成多数でドンパパ10年物のロックを注文すること可決。
ママさんがロックを作ってくれるのを見ながら、ごくりとつばを飲み込む。きっと私の喉仏も大きく上下したに違いない。
そして琥珀色が美しいドンパパがその優雅な姿を現す。
ドンパパ10年のロック1,100円、サービスで多めに入れていただいた。
実に美しい。しばし見とれて、次に芳醇な香りを楽しむ。
そして、恍惚の表情を浮かべて味を嗜む。
お酒が入ると自然に口が滑らかになる。ぬるぬるだ。
いつものようにママさんに日比ビジネスの相談をする。
ただし、こちらもフィリピン料理の食べ歩きで少しずつ、日本人の味覚での感想が言えるようになってきたので、自分の味覚での美味しいフィリピン料理や今までのお店を巡って食べた感想を共有させていただいた。少しはうなずいていただけた点もあり、今度こちらに来た時にお薦めした料理がメニューに加わっていたなら、この上なくうれしい。
ちなみにドンパパをフィリピンのどこかで安く買えるか聞いたものの、結局は空港の免税店で買うのが一番お得らしい。それはそうだろう無税だから。
そう簡単に、ビジネスになる旨い話は落ちていないものだ。
店内も濃い赤のライトで照らされ、カウンターも赤く染まる。
こちらお店は、一年半前に南越谷から今の場所に移ってきたとのこと。
主なお客様は日本人で、移転前の南越谷のお客さんが今も足を運んでくれるそう。
来日してから、なかなかの年数が経ったママさん。
地元はマニラ市から北に車で一時間のブラカン。話が老後の生活のことに及ぶと、若かりし頃に日本に来て、すでに仕事の基盤もご家庭をお築きになっており、これからもずっとこちらで暮らしていきたいとのこと。
末永く居酒屋を営みお客様を楽しませ、のんびりとお暮しくださいませ。
店名:じょび
メニュー・値段例:
アドボ 980円
ドリンク(アルコール) 一杯600円から
ドンパパ10年 1,100円
ドンパパ7年 900円
オレンジジュース 500円
テーブルチャージ 500円(夜だけ)
営業時間: 19:00‐24:00
定休日: 火曜日
電話: 048-948-6997
住所: 〒340-0015 埼玉県草加市高砂1丁目10−48
地図: