まだ冷たい雨が降る3月初旬の東京都八王子市
"Since 1.11.2011"と表の看板に書いてあるので、2011年11月1日から営業ということだろう。
業歴を伸ばしているお店には何か理由があるはず、と自然に期待を寄せてしまう。
中に入ると右手に食料品の商品棚、左手には食堂スペースが広がる。
雨天かつランチとしては時間が遅かったこともあり、空いているだろうと予想してはいったが、中に入ると母子連れが一組だけ。
中央の壁に掛けられたテレビには、タガログ語に吹き替えられた韓流ドラマが流れる。
壁の上の端、天井近くにはまだクリスマスの飾り付け。
当店に限ったことではないが、フィリピン料理店でよく見る風景。
フィリピン国内でも、日本のようにクリスマス翌日に一斉に飾りつけが外されることはないおおらかさ。
オーバーアクションな韓流ドラマも気になるが、料理を取りに行こうとビュッフェ台に向かい合って料理の種類が多いことに気づいた。
今まで30軒のフィリピンレストランに訪問してきたが、品数の多さでは、間違いなく一番。
煮物と炒め物のおかずで５種類、それに春巻、唐揚げ、和え物、スープ、ライス、スイーツ３種、ドリンクサーバーのジュースが２種。
小学校の給食を思い出させる、しかし、それよりももっとかわいい子供用のお盆とお皿が一体化したプラスチックのプレートに少しずつおかずを取り分ける。
今回はおかずの種類が豊富なため、２周かけて食べ終えた。
一品一品、丁寧に作られている味付け。遅めに到着したのにかかわらず料理が温かい。
ふとビュッフェのトレイを見れば、それぞれがアルコールランプのようなランプで温められている。雨で体が冷えていたこともあり、うれしい心遣いである。
今回、一番気に入ったのは、もともと自分が豆好きというためもあり肉と豆の煮込み料理。
ピーナツソースのカレカレも食べやすい。オキアミの塩辛、バゴーンと合わせて食べるとなお良い。
…おや、苦手だったバゴーンがわりと真面目に美味しくなってきた。
味覚がだんだん変わってきている自分。
そもそも、パイナップルジュースを一缶頼んでごはんの供としたが、『ごはんとジュース』という組み合わせに違和感を感じなくなってきたあたり、味覚だか自分の『常識』が変化してきたことを認めざるおえない。
そんな自己分析をしながら、韓流ドラマを横目に箸休めの和え物から、決して得意ではない、ドリンクサーバーのメロンジュースとスイーツまで全部食べてみる。ふぅ。
母子連れのお母さんは、ママさんと久しぶりに会ったとのことで、ずっと話し込んでいる。子供はゲーム機に夢中。
豊富な品数に驚いたことをママさんに伝えると、もともとみんなにパーティで料理を振る舞うのが趣味でこちらのお店を開いた、と嬉しそうに語ってくださった。
当店は普段は主にフィリピン食料品店として営業しているが、誕生日パーティーなどで注文があれば料理を届けたりもしている。
お客さんは、近くのニチレイの弁当工場に勤めているフィリピンの方が多いとのこと。また公民館（のようなところ）に日曜日に礼拝所ができるため、そこに通う人たちが、礼拝後に日曜のお昼ごはんを食べに立ち寄ると。
小柄で快活なママさんに、ブログに掲載していいか許可を伺うと、ご快諾。ネットで検索して来店する方がちらほらいるとか。
そして名刺と当方の顔を交互に見ながら、当社の業種が『ポータルサイト』かと聞かれ、思わず『ハイ』。
…言っちゃった。これは、ポータルサイトを作らねばならない。
雨の日のランチ後であるにかかわらず、テイクアウトで、あるいは食事で、とこうして食べている間にも2-3人とフィリピン人女性が来店してくる。
マニラの隣街のご出身というママさんに、もっといろいろとお話を伺いたかったが、忙しそうなので早めに退散。
間違いなく繁盛しているお店。
メニュー：
食べ放題 1,111円（税込み1,200円）
パイナップルジュース 258円
営業時間：12:00‐22:00（食べ放題は日曜日のみ）
定休日：水曜日
電話：042 6465 388
住所：東京都八王子市打越町345‐2京王北野マンションA‐104
ご参考：
